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体が柔らかいだけではない|関節過可動と慢性疼痛・疲労・自律神経症状について

  • 5月29日
  • 読了時間: 6分

「柔らかい=健康」とは限らないことがあります


健康についての情報を集めていると、「柔軟性は大事」「関節を柔らかくしましょう」と言った情報に触れることがありますね。 もちろん、関節は動く範囲を保つことは体の機能を発揮するために必要なことです。


しかし、この「柔らかい」が「健康」と結びつかない人もいます。

子どもの頃は体は柔らかく、年齢とともに徐々に硬くなっていきますがその柔らかさが維持されたり、場合によっては過剰に強く出る事があります。


  • 特別に柔軟のためのストレッチをしていないのに、体前屈がべったりできる

  • 関節が他の人よりも動くから、それを特技として見せることがある

  • 人よりもヨガもストレッチも良くできる

  • ストレッチしているはずの筋肉がうまく伸びない


このようなことが関節の柔らかさを持った人に起こっています。

でもこういった関節の可動性を持った人の中には


  • 胃腸の調子がいつも悪いけど、心当たりがない

  • 人よりも疲れやすく体力がないと感じる

  • 体のどこかに表現しにくい痛みがある

  • 気づけばどこかに寄りかかっていたり、体を支えることが辛い

  • 自律神経の乱れですね、と言われることが多い


など、他の人と比べると”自分の体はなんかちょっと違う”がたくさん起こっていることがあります。


関節過可動やhEDSによる慢性的な疲労感・自律神経の不調を表現したイメージイラスト


hEDS・関節過可動で起こりやすい不調


こう言った体の特徴を持っている人はエーラスダンロス症候群と言われる結合組織の異常を持っていることがあります。

エーラスダンロス症候群は13のタイプに分類されています(2026/05/29現在)が、特に多いと見られているのが関節型エーラスダンロス症候群です。


この疾患で起こることは、

  • 関節の不安定性

  • 慢性疼痛

  • 疲労感

  • 固有感覚の問題

  • 自律神経症状

  • 胃腸症状

  • 感覚過敏


と言った、全身的に体に不調が起こってきます。

関節の柔らかさは分かりやすいですが、体の内側でも様々な影響を受けていることもあります。

結合組織は全身の器官に存在する材料のようなもので、このエーラスダンロス症候群では結合組織の不安定さが起こりやすい疾患とされています。

そして、近年こういう体質の傾向を持った人は実は想定されているよりも多いのではないか、と言われています。



なぜ関節過可動では全身が疲れやすくなるのか


この関節型エーラスダンロス症候群では関節を支えている靭帯や、組織なども柔らかくなっているので関節に不安定さが起きやすくなっています。


体を支えるために筋肉が頑張り続けている


一般の人の体が、ワイヤーで支えられた吊り橋だとすると、

関節型エーラスダンロス症候群では、ゴムで支えている吊り橋のような状態に近いかもしれません。


柔らかく動ける反面、不安定さも起こりやすくなります。

その不安定さを補うために、筋肉は常に体を支え続けています。


  • 細かな筋肉が絶えず体を支えようとする

  • 首や背中が張りやすくなる

  • 無意識に体を固定させて使う

  • 絶えずどこかが体の位置を保つために微調整している


と言うことが起こっているため、痛みのある場所が移り変わりやすく、どこかよくなってもまたどこか違う場所が痛い、と言ったことが起こってきます。


関節だけでなく、自律神経にも負担がかかることがあります


また、自律神経系の不調を来たしやすく、それらで調整されているような場所にも影響が及びます。


  • 胃腸障害

  • 便秘、下痢、排尿障害

  • 月経トラブル

  • 緊張が抜けにくい

  • 力を抜く感覚が分かりにくい

  • 睡眠障害


と言ったことが起こりやすい体質です。

これらは個人差があり、全員が同じく起こったり、全員が悪い状態という訳ではなく「何となくいつも調子が悪い」「体調が良いときが少ない」くらいで、何とか日常生活を過ごせる人も多くいます。



IluminarではhEDS・関節過可動をどのように見ているのか


当院では、関節の緩さに加えてそういった個人差の大きい状態も含めて体を見ています。

たとえば


  • 呼吸

  • 腹部

  • 皮膚の張り

  • 熱感

  • 緊張

  • 力の入り方

  • 姿勢保持

  • 疲労状態


などの、関節の不調以外に起きていること、その人の体の中で何が起きているのか、仮説を立てながら体を見ていっています。



hEDS・関節過可動に対して鍼灸でできること・できないこと


鍼灸治療が得意なものと、鍼灸治療ではできないことがあります。

できること

  • 緊張軽減

  • 呼吸補助

  • 疲労緩和

  • 痛みの負担軽減

  • “休めない状態”の緩和


できないこと

  • hEDS自体を治す

  • 関節を正常化(硬く)する

  • 診断する


鍼灸治療でできることでも一度に不調を変えることはなかなか難しく、改善しては戻って、改善しては戻ってを繰り返しながら変化していくこともあります。 また、鍼灸治療は体の土台を整えることはできますが、土台の質そのものを改善することはできません。


hEDSや刺激に敏感な方にも配慮した、刺さない鍼(てい鍼)による背部へのやさしい鍼灸施術

hEDS・関節過可動の施術で気をつけていること


この体質の方は、日常のちょっとした刺激でも体に影響を起こす可能性があります。

普段意識していないようなことでも実は過刺激になっているかもしれません。


当院ではその点を踏まえて

  • 強刺激を避ける

  • 一度に変化を出そうとしすぎない

  • 過剰な矯正をしない

  • その日の体調は当日まで分からないことを前提にする

  • 施術後に強い疲労感が残らないよう調整する

  • 「好転反応」として無理に負担を正当化しない

  • 無理に緩めすぎない

  • 慎重に体の反応を見ながら施術していく


個人差が大きい疾患なので、その人個人でも毎回、施術前後の体調の揺れや当日の体調を含めた変化を見つめながら施術を組み立てていくことにしています。 また、施術は必ずしも鍼だけにこだわっているわけではありません。


刺激に敏感な方や、鍼への不安が強い方では、

  • あん摩マッサージ指圧

  • てい鍼

  • 塩灸


などを使いながら、その日の体調や反応に合わせて施術を組み立てています。

「どこまで刺激を入れるか」だけではなく、

「どこまでなら体が無理なく受け取れるか」

も大切にしながら施術を行っています。



体調や刺激量に合わせて行う塩灸による温熱刺激を使った鍼灸施術


原因不明と言われてきた不調の背景に、 関節過可動が関係していることがあります


一般的な健康情報を見ていると、「なんか自分は違うかもしれない」と感じることがあっても、どこがどう違うのかわかりにくいことがあります。

この「なんとなく調子が悪い」「調子が悪いのに原因がわからない」という感覚の背景に、関節過可動の傾向が関係していることもあります。

長年「原因不明」とされてきた不調の背景に、こうした体の特徴が隠れていることもあるのです。


こうした体質の傾向や、

  • 原因がわからない疲労感

  • 慢性的な痛み

  • 自律神経症状

  • 胃腸症状

  • 「なんとなくずっと調子が悪い」


といった不調について、

「どこに相談したらいいかわからない」

「まずは話を聞いてほしい」

と感じている方は、お気軽にご相談ください。


関連ページ

hEDS・POTS・MCASについて、さらに詳しく知りたい方へ


こちらのページでは、

  • hEDS(関節型エーラス・ダンロス症候群)

  • POTS

  • MCAS

について、実際の体験も含めながらまとめています。

海外・国内の参考機関へのリンクも掲載しています。


自律神経症状や胃腸症状について、当院でどのように体を見ているのかはこちらにまとめています。


慢性的な緊張や、体が休めなくなっている状態についてはこちら。

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