頭部・顔面部の鍼灸治療
このような症状はありませんか?
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夕方になると目の奥がズーンと重くなる
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ストレスがかかると頭痛や顎のだるさが出る
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無意識に歯を噛みしめていて、首や肩がつらい
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朝起きたときにこめかみや顎が疲れている
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耳鳴りやめまいがあるが、検査では異常なし
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顔の筋肉が左右で動かしにくい/麻痺のあとが気になる
こうした症状に、東洋医学と脈診をベースにしたやさしい鍼灸でアプローチしています。
よくご相談いただくお悩み
1. 頭痛
特徴
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脈打つような痛みが片側に出ることが多く、天候やストレス、月経前などのタイミングで悪化します。
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光や音に敏感になったり、吐き気を伴うこともあります。
施術方法
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脈診から交感神経の緊張状態を確認し、交感神経を抑えるように本治法をします
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目の周囲(攅竹・太陽など)や頭部の緊張ポイントに鍼を行い、過剰な熱や気の偏りを整えます
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背部(特に肩甲間部や胸椎付近)の緊張を丁寧にゆるめることで、全身のめぐりも整えていきます
片頭痛
特徴
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肩や首まわりの筋肉が緊張することで、頭全体が締めつけられるような痛みが出ます。
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長時間のデスクワークやスマホ使用など、同じ姿勢を続ける生活によって悪化しやすく、夕方に強くなる傾向があります。
施術方法
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脈診で肝の熱を確認し、必要に応じて調整します。
→ 胃腸に原因がある場合(食べ過ぎ、胃痛など)は、消化器系の調整も同時に行います。 -
頭の際(特に後頭部)の硬さを丁寧に確認し、天柱・風池などを中心に刺鍼して緊張を和らげます。
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前側(胸鎖乳突筋)や側頭部の緊張、姿勢由来の頚部バランスを見て、全体の調整を行います。
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状況によっては、鍉鍼(ていしん)によるやさしい刺激で整えることもあります。
筋緊張型頭痛
特徴
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三叉神経痛や後頭神経痛など、神経の通り道に沿って鋭い痛みが広がるケースがあります。
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頭痛と間違われることも多く、片側にズキンと走るような痛みが特徴です。
施術方法
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神経の走行に沿って圧痛点や放散痛の有無を確認し、 圧痛のある部位に刺鍼していきます。
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併せて、筋肉の緊張などによって神経の通り道が妨げられていないかを見て、体全体のめぐりも整えます。
※ 群発性頭痛については 5.群発性頭痛 に記載していますのでそちらをご覧ください
頭部の神経痛
2. 顎関節症
特徴
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顎(あご)の開けづらさや痛み、カクカク音が鳴るといった不調が続く症状を総称して「顎関節症」といいます。
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ストレス、噛み締め、歯ぎしり、姿勢の乱れ、睡眠の質の低下など、様々な要因が複雑に絡み合って発症することが多く、原因を一つに特定することは難しいのが特徴です。
施術方法
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脈診によって交感神経が過剰に緊張していないかを確認し、ストレスや睡眠の質が関係していそうな場合には、まずは全体の緊張を和らげる本治法を行います。
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顎関節まわりの局所に刺鍼し、痛みや動かしづらさを緩和します。
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同時に、耳の上・側頭部・首まわりなど関連する筋肉の緊張を丁寧にチェックします。
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開口障害がある場合は、運動鍼による可動域改善も併せて行います。
よくあるご相談
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就寝中に歯ぎしりをしていると家族に言われた
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朝起きたとき、顎やこめかみがだるい
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ストレスが強く、気づくと無意識に奥歯を噛み締めている
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顎関節の音や違和感が気になるが、病院では「様子見」と言われた
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顎の不調だけでなく、首や肩こり・頭痛もある
「顎関節症」と診断されていない方も、噛み締めや周囲の不調があればご相談ください。
3. 耳鳴り・めまい
耳鳴り
特徴
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「キーン」「ジー」「ボー」など聞こえ方は人によって異なり、客観的な測定が難しいとされます。
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めまいと同時に起きることもあり、一過性のものから長期にわたるものまでさまざまです。1つに特定することは難しいのが特徴です。
施術方法
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脈診で腎の状態を確認します。腎は「耳」と関係が深く、実質臓器(内耳)への影響も含めて見立てます。
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必要に応じて、耳鼻科との併用を推奨することもあります。
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鍼灸では主に、耳のまわりのツボ(耳門、角孫、翳風など)や、顎・側頭部・後頸部の筋肉の硬さを触診して整えていきます。
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めまいが伴う場合は、めまいの施術も同時に行います。
めまい
特徴
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耳から来るもの、自律神経の乱れによるもの、血圧や貧血に関連するものに大きく分けられます。
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「フワフワする」「グルグル回る」「地に足がつかない感じ」など、感覚の表現もさまざまです。
施術方法
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血圧が低い・貧血がある場合は、気血の不足が考えられますので気血を補う施術を行います。
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自律神経が関与している場合には、頚部・側頭部の緊張をとり、脈を整えながら全身のバランスを見ていきます。
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耳性(内耳など)に由来する場合、まずは耳鼻科での精査を勧めた上で、鍼灸での回復サポートを行います。
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特に首や肩、耳まわりの筋肉の硬さや圧痛部位を丁寧に探り、アプローチしていきます。
その他の耳の症状にも対応
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耳管開放症、耳管狭窄症、突発性難聴・感音性難聴なども、東洋医学的に体全体をみながら、耳まわりや関連部位の硬さにアプローチしていきます。
こちらでもめまいについて記載しています
4. 顔面神経麻痺
特徴
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顔の片側が動かしにくくなる、表情が作れない、まぶたが閉じにくい、口元から飲み物がこぼれるなどの症状が現れます。
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多くはウイルス感染(例:ベル麻痺、ハント症候群など)が引き金になると考えられており、急性期の場合、医療機関で早い段階の治療が重要とされています。
施術方法
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拘縮を緩めて、まぶたが閉じられるようにすることを目標に、状態を見ながら刺鍼を行います。
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咀嚼(そしゃく)や構音(こうおん)に支障がある場合には、関連する筋肉の硬結にもアプローチします。
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使用する経穴は、攅竹・太陽・陽白・四白など、表情筋や顔面神経に関係するポイントを中心に選びます。
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刺鍼よりも鍉鍼が適している場合もあり、刺激量を調整しながら施術を進めます。
注意点
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鍼灸は、顔面神経麻痺の回復をサポートできる可能性のある施術ですが、
発症直後はまず耳鼻科や神経内科など、医療機関での診察をお勧めしています。 -
医師の診断を受けたうえで、安心して施術を受けていただけるようにご案内しています。
5. 群発性頭痛について
特徴
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群発性頭痛は、激しい痛みが一定期間に集中 して起こるタイプの頭痛で、緊急性の高い疾患です。
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突然、片側の目の奥に強烈な痛みが起こるのが特徴で、発作中はじっとしていられないほどの強い苦痛を伴います。
まずは医療機関での診断・治療を
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群発性頭痛が疑われるような症状(片側の激しい目の奥の痛みや涙、鼻水など)がある場合は、できるだけ早く、頭痛専門の医師や神経内科の受診をおすすめしています。
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群発性頭痛は、救急での対応が必要になることもあるため、まずは医療機関での診断・治療を優先してください。
鍼灸では、現在のところ発作中の痛みを直接やわらげる手段としての有効性は明確ではありませんが、
再発予防や回復期のサポートとして、以下のようなアプローチが可能です:
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再発を予防するための体調管理
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自律神経のバランスを整える施術
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発作後の倦怠感や睡眠の質の改善
医師の診断をすでに受けている場合には、その内容を共有していただくことで、より安全で適切な施術をご提案できます。
