「なんかスッキリした」の正体――“整える”ってどういうこと?
- 綾子 角田
- 5月15日
- 読了時間: 3分
施術のあと、「なんかスッキリしました」と言われることがあります。
でもよく考えてみると、その「スッキリ」って——
痛みが完全になくなったわけじゃない
特別な刺激を加えたわけでもない
治療中に爆発的な変化があったわけでもない
…それでも、体と心が軽くなった感じがしている。
今日はその「なんかスッキリ」の正体を、経絡治療の視点でお話しします。

◆ スッキリ=“流れ”が戻った感覚
体が不調なときって、どこかが「詰まっている」「とどこおっている」感覚があることが多いです。
それは痛みかもしれないし、
呼吸の浅さ、気持ちの重さ、体の奥の熱っぽさ、東洋医学的な冷え、かもしれません。
鍼灸治療では、そういった“流れが滞っている場所”に働きかけて、動きを生み出します。
すると体は、自然に「整おう」とします。
その結果、痛みが減る、体が温まる、深く眠れるようになるなどの変化が起きます。
この“動きが生まれた瞬間”を、人は「スッキリ」と表現しているのかもしれません。
◆ 体の中の“偏り”が整うと、感覚は静かに変わる
経絡治療では、体を「パーツ」ではなく「流れ」として見ています。
例えば:
肩こりが、実はお腹の疲れから来ている
頭痛が、冷えた足とのバランスの乱れで起きている
不眠が、胸の熱を冷ませない“静けさ不足”から起きている
このように、痛みのある場所と原因が違うことも多く、
その“根っこ”を整えると、表面的な症状も少しずつ静かになっていきます。
これが、「治す」ではなく「整える」という考え方です。

◆ 変化はじわじわ、でも確かに起きている
鍼灸のあと、急激に症状が変わることもありますが、
多くの場合は、日常の中で「なんとなくいいかも」と感じる変化が積み重なっていきます。
朝がラクになった
深く息が吸えるようになった
イライラが減った
“まだ大丈夫”って思えるようになった
こういう変化こそ、
体の中の偏りが、静かに・確かに動いた証拠です。
◆ スッキリの積み重ねが、“薬に頼らない日”につながっていく
頭痛や肩こり、胃の不調など、
「症状が出そうだから、なんとなく薬を飲む」ことが日常になっている方も多いと思います。
経絡治療を受けていく中で、
「今日は薬を飲まずに済んだ」
「なんとなく前より痛くならなくなった」
「いつの間にか薬を飲む回数が減っていた」
といった変化が少しずつ起こってくることがあります。
これは、無理に症状を抑えるのではなく、
体が本来のリズムを取り戻した結果です。
「なんかスッキリした」という感覚の積み重ねが、
日々の選択を変えていく——薬に頼らない自分になっていく。
それも、整える施術の静かな力のひとつです。
“こんなことで相談していいのかな”って思うようなことこそ、
経絡治療で整えていけるかもしれません。
気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。
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