夏バテ?熱中症?脈診から見える体の状態と鍼灸治療
- 綾子 角田
- 7月30日
- 読了時間: 4分
更新日:7月30日
今年は例年以上に暑い日が続いていますね。
毎日テレビでは最高気温や熱中症警戒情報が報じられています。
熱中症の予防には、まず適切な睡眠と休息。
そして、バランスの取れた食事と、こまめな水分補給が大切です。
・・・とはいえ、これは毎日のように耳にする内容ですよね😅
ただ、気をつけるあまり塩分を過剰に摂りすぎないようにもご注意ください。
食事がきちんと摂れている状態であれば、たとえ汗をかいても極端な塩分不足にはなりにくいとされています。
日頃から「自分がどれくらい塩分を摂っているか」「どれだけ汗をかいているか」を意識することも大切です。
ここでは、東洋医学、とくに私が日頃行っている経絡治療の観点から、夏の不調や熱中症のケアについてまとめてみたいと思います。

東洋医学ではどう見る?〜脈診からわかる体の状態〜
経絡治療では、まず両手首の脈を診て、五臓六腑の働きを確認します。
そのうえで、腹診や触診を行い、ツボ(経穴)を選んで鍼をしていきます。
夏バテのときの体のサイン
夏バテといっても、状態によって施術のアプローチが異なります。
たとえば、
夏の初めごろは、冷たいものや味の濃いものを欲することが増えます。
このときの脈診では、東洋医学で消化器の働きを示す「脾胃」に熱がこもっている状態が見られることが多いです。
→ このような時は「水穴」と呼ばれる、熱を冷ます作用のあるツボを使い、脾胃の熱を取り除いていきます。
熱は上に昇る性質があるため、体内でも頭に熱がこもりやすく、
頭痛・めまい・肩こりなどの症状として現れやすくなります。
脾胃の熱を冷ますことで、異様な食欲が落ち着いたり、体のこもった熱が抜けて楽になります。
さらに暑さが続くと、今度は熱を出し続けることに体が疲れてしまい、
脾胃の力そのものが弱くなる状態になります。
このときは「土穴」という、体を温め補う働きのあるツボを使い、
胃腸を支えてあげるような施術を行います。
→ このように、「冷ます」べきか「補う」べきかは、脈診によって見極めていきます。

熱中症が疑われるときは
熱中症になると、体全体に強い熱が発生している状態です。
脈を診ると、6本の指すべてで「バシバシッ」と強い脈が触れ、明らかに熱が強くなっているのが分かります。
ここ最近の猛暑の影響で、患者さんの脈の傾向も変化しており、
以前よりも全体的に“熱っぽい”脈の方が増えてきました。
ただし!
この状態で、
だるさ
めまい
強い頭痛 などの症状があるときは、
まず医療機関を受診することが最優先です!
鍼灸治療にも熱中症への対応はありますが、
「熱中症かもしれない」と思ったら、まずは病院へ。

熱中症の“後”の不調には鍼灸を
病院で熱中症の診断・処置を受けた後でも、
「なんとなく調子が戻らない」
「だるさやめまいが続いている」
そんな方には鍼灸治療が力になります。
熱中症になると、再発しやすくなるとも言われており、
体の熱が残っている場合は、
火照り
めまい
ぼーっとする感じ
などが起こりやすくなります。
一方、気血や津液が不足していれば、
強いだるさ
疲れやすさ
意欲の低下
などの状態が出てきます。
さらに、熱も足りなさも両方あるときには、
「熱っぽいのにだるい」という複雑な不調が続きます。
鍼灸と脈診ができること
このような、
頭痛
めまい
大量の発汗
食欲不振
ぼんやり感 など、
病院では説明しづらいような不調に対して、
経絡治療では脈診を通して体の状態を的確に把握し、アプローチしていきます。
脈を通して、今の体のバランスの乱れをリアルタイムで感じ取り、
「足りないものを補い、余分なものを取り除く」ことを目的に治療を進めていきます。
経絡治療は、「元の状態に戻る」ためのきっかけとなる治療です。

さいごに
病院では熱中症そのものの診察・処置は受けられても、
その後の「なんとなくつらい症状」までは手が届かないこともあります。
東洋医学では、こうしたうまく言葉にしにくい体調不良にもアプローチできます。
「今年の夏、暑すぎて食欲が落ちている」
「熱中症後、ずっと体が本調子じゃない」
そんな方は、お気軽にご相談ください🍀




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