【勉強会レポート】耳鳴り・難聴・めまいに対する鍼灸アプローチ
- 綾子 角田
- 10月18日
- 読了時間: 4分
2025年10月14日、医療鍼灸協会主催の医鍼連携研修に参加してきました。
今回のテーマは「耳鳴り・難聴・めまい」。
私の治療院でもよく相談される症状のひとつです。
今回も
現代医学
現代鍼灸
中医学
経絡治療
とそれぞれの視点から学びの多い講義でした。
🧠 現代医学の視点:耳と腎のつながり
耳鼻科領域では、新潟の耳鼻科医の先生による講義があり、
さまざまな疾患・検査・処置について具体的に学ぶことができました。
久しぶりに耳鼻科の解剖学を復習し、実際の臨床での診断や治療の流れを学べたことはとても有意義でした。
印象的だったのは、
「腎は耳に開竅(かいきょう)する」という東洋医学の見方と、
西洋医学における内耳と腎臓の構造・薬剤感受性が実際に共通しているという点。
腎毒性のある薬剤が、内耳にも毒性を及ぼすことがあるという説明に、
東洋医学の観察眼の鋭さと現代医学のリンクを感じました。
ちなみにその先生のクリニックでは、
鍼や円皮鍼を患者さんに実際に使っているそうで、医療の現場での鍼灸の広がりを感じます。

🪡 現代鍼灸:解剖学に基づく神経アプローチ
耳鳴りやめまいに関係するツボに対して、
どこに、どの深さに、どう刺すのが神経的に効果を出しやすいのか。
解剖学と神経系の知識をベースに、実技を通して効果的なアプローチを体感しました。
特に印象的だったのは、耳鼻科の専門誌にも鍼灸の効果が掲載されるようになってきたこと。
医療の分野でも、耳の症状に対する鍼灸への期待が高まっていることを実感します。
🌿 中医学の視点:弁証と太鍼の世界
中医学では、耳鳴りやめまいの発症の仕組み(発病機序)をどのように捉えるのか、
それに基づく弁証から、ツボの選び方・刺し方までを学びました。
最近は太めの鍼にも慣れてきましたが、
まだ私は鍼管(筒)なしで刺す勇気が出ません…😅
でもサッと刺していく先生の姿を見ていると、
「臨床ってやっぱり積み重ねだな」と感じさせられます。
🪡 経絡治療の視点:脈から紐解く耳の症状
経絡治療では、まず脈診でその人の体の状態や重症度を見ていきます。
耳鳴り・難聴・めまいは、西洋医学でも見逃してはいけない症状のひとつなので、
重症と判断すれば耳鼻科の受診をすすめる判断力も大切です。
治療は、立てた「証」に沿った本治のツボを使いながら、
耳周囲・首・肩などに局所の鍼も行っていきます。
特に、耳の周囲や後頭部・首の筋肉が硬くなっている方が多く、
そこにしっかり触れて所見を取ること=経絡治療の大切な軸だとあらためて感じました。

🧏♀️ 耳の症状と鍼灸
耳鳴り・めまい・難聴といった耳の症状に鍼灸が効くの?
と、疑問に思われる方も多いと思います。
でも実際には、
耳まわりの筋肉の硬さを取るだけで不快感が軽減されるケース
後頭部や首の緊張が関係していたケース
が意外と多く、症状の改善に繋がることもあります。
特に現代は、スマホ・タブレットでの長時間視聴や同一姿勢によって、
耳周りの筋肉が固まりやすい状況になっています。
私自身、両耳に耳管開放症・狭窄症という症状を持っていますが、
このような耳の疾患でも、やはり耳のまわりに硬さが出ます。
また、顎のへり(下顎角の周辺)にも強い緊張が現れるため、
必要に応じてそこにも鍼を入れていきます。
耳周りの筋肉がゆるみ、硬結がほどけて血流が改善されてくると、
なんとも言えない“ふわぁ〜”っとした感覚が全体に広がっていきます。
耳や首の緊張がゆるむと、顔まわりまでも自然とゆるんでいくような、
そんな心地よい変化が起こるのです。
🌱 最後に
耳の症状は、
首・肩・頭の後ろの緊張が関係していることも多く、
意外な場所の鍼で症状が緩和されるケースもあります。
「耳鳴りやめまいが気になるけれど、何科に行けばいいか分からない」
そんな方も、ぜひ一度ご相談ください🪡
耳鳴り・難聴・めまいの施術はこちらでも解説していますので
お時間ありましたら見てみてください。
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