なぜ鍼灸では“お腹”を見るの?腹診でわかる、体の声
- 綾子 角田
- 5月4日
- 読了時間: 2分
「鍼灸って、ツボに鍼を刺すだけじゃないんですか?」
そう聞かれることがよくあります。
実は、私たち鍼灸師は「お腹=腹診(ふくしん)」をとても大事にしています。
なぜお腹を診るのか?どうやって体の状態がわかるのか?
今日は、経絡治療ならではの“お腹から診る東洋医学の視点”をやさしくお伝えします。

◆お腹は「今のあなた」が出る場所
お腹って、筋肉も脂肪もあるし、ただの内臓の集まりに思えますよね。
でもお腹は様々な症状が出てくる場所だと考えます。
たとえば:
胃の上あたりが固い →胃の膨満:胃痛、胃潰瘍
おへその上あたりがドクドク拍動している→ストレス
生理が重たい人に見られることがある膨らみ
婦人科系の不調がある時に生じている突っ張り
こうした情報を、「押してみた感触」「反応」で探っていきます。
◆ 腹診は“今”を映すセンサー
脈診が「体質の地図」だとしたら、腹診は「今の気象情報」。
たとえば、昨日と今日でお腹の反応が違うこともあります。
それだけ、お腹には“その人の状態”が素直に出てくるのです。
ストレスで胃の上がパンパンになってる方、
寒さや疲れで下腹がひんやりしている方…
言葉では出てこないSOSが、お腹に出ていることはとても多いです。
◆治療前後で「お腹が変わる」
私が治療で大切にしているのは、治療前と後でお腹の感触がどう変わるかです。
硬さが抜けてやわらかくなった
スカスカだったところに“充実感”が出た
冷たかった下腹が温かくなった
触って痛かったところが痛くなくなった
こうした変化は、「体が整ってきたサイン」。
見た目じゃわからなくても、身体はちゃんと応えてくれます。
それが、患者さんにとっても施術者にとっても、静かな“安心”になるんです。
【まとめ】
「鍼灸でお腹を触るってなんだか不思議」
最初はそう思われるかもしれません。
でも、実はとても自然なことなんです。
あなたの体が今、何を求めているのか。
それを“言葉ではなく、触れて感じとる”方法が、腹診。
経絡治療では、症状だけでなく、“あなた全体”を見ることを大切にしています。
気になる方は、ぜひ一度、お腹から自分の体を感じてみてくださいね。
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