肩関節痛に向き合う――研修で再確認した“鑑別と見極め”の大切さ
- 綾子 角田
- 5月13日
- 読了時間: 3分
先日、日曜日に医療鍼灸協会の研修に参加してきました。
八丁堀にある、東京医療福祉専門学校で開催されました。
第1回目が雨だったのですが、第2回目の今回は清々しいお天気で気持ちが良かったです。
今回のテーマは「肩関節痛」。とても身近で、私自身もよくご相談を受ける症状です。

💠 肩関節痛は“ありふれているからこそ、見極めが重要”
肩関節は全方位に動く分、関与する筋肉や靭帯も多く、
一見よくある“肩こり”に見えても、背景には様々な疾患が隠れている可能性があります。
今回の講義では、石灰化腱板炎や腱板断裂など、手術適応となる疾患の鑑別や、
回旋筋腱板(棘上筋・肩甲下筋など)の詳細な診察法を改めて学びました。
私たち施術者が無理に治療を続けるよりも、
「これは整形外科を紹介した方がいい」と判断する力こそが信頼に繋がる。
そんな当たり前のことを、強く実感した時間でした。
💠 鍼灸の適応を正確に見極める
当院では、鍼灸治療が適応と考えられる症状に対しては、積極的に“運動鍼”を取り入れています。
運動鍼は、可動域の改善に非常に効果的で、筋肉性の肩痛には特に有効です。
ただし、炎症があるケースでは運動鍼は行いません。
例えば、熱感・自発痛・ゼリー状硬結がある場合は、標治の瀉法や灸を用い、状態を見ながら施術していきます。
💠 流派によってアプローチはまったく違う
研修に参加して感じたのは、同じ肩関節痛でも、施術の考え方や手技が流派によって大きく異なるということ。
ただ、それぞれに共通していたのは、
「よく診ること。患部の状態を把握すること。」
やはり、どんなにすごい技術も、「ちゃんと見てから使う」が基本なのだと思います。
💠 余談:7cmの中国鍼に驚いた話
ちなみに…実技デモで中国鍼を使った場面があり、
なんと7cmの鍼をズドンと下腿に入れていて、正直ビビりました。笑
私は経絡治療をベースにしていますが、
こうして他流派のアプローチを見ておくと、
学びがあると同時に、“自分は何を大事にしているか”を考える機会にもなりました。

【まとめ】
肩の痛みはよくある症状のようでいて、油断していると見逃してしまう危険もあります。
Iluminarでは、「この方の肩は、鍼灸で改善が期待できるのか?」を常に意識して施術をしています。
そして、改善が見られない時には、無理に施術を長引かせることはしません。
あなたの体にとって「今、一番いい選択肢」を一緒に考えていけたらと思っています。
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