医療現場と鍼灸の連携
- 綾子 角田
- 4月17日
- 読了時間: 3分
医鍼連携の未来と私の臨床像からの想い
最近、病鍼連携や医鍼連携など、鍼灸と医療機関との連携を推進するための勉強会や研修会が増えています。
私たち鍼灸師も“医療の一部”としての役割が求められ始めています。
その“医療の一部”としての鍼灸師として進んでいくためにはさまざまなハードルがあります。
そのハードルを解消すべく、今月から医療鍼灸協会主催の医鍼連携研修に参加しております。
医鍼連携とは
医鍼連携とは、病院の中で鍼灸を行うとか、クリニックや在宅医療機関と鍼灸師が連携して一人の患者さんを診るなど、医療機関で行われるチーム医療の一員として鍼灸師が参加する、医療機関と鍼灸師が連携する、という意味です。
医療鍼灸協会ホームページ 相澤良会長の言葉より
西洋医学の的確な病気の診断と治療に加えて、西洋医学では対象法がない不得意な分野を東洋医学で補っていくことが、患者さん一人ひとりのQOL(quality of life)にとって重要でこの相乗効果が期待できます。
研修会に参加
ずっとこの研修に参加したかったのですが、今年やっとそのチャンスが来たので今年度から受講することになりとっても楽しみです。
4月は、「頸肩腕痛」
首と、肩と腕にかけた痛みということを現代医学、現代鍼灸、中医、経絡治療というそれぞれの視点からどう見てアプローチするかを学んできました。
頸肩腕痛はごくありふれた症状です。
ですが、その背後には今すぐに病院に行かなくてはいけない状態も含まれています。
なんとなく肩が凝って凝って、毎日整骨院に通っていたら実は心筋梗塞だった、なんていう話を聞いたことがあります。
こういった医学的には危ない症状をしっかりと見極めてい必要ならば受診を促しましょう、と現代医学の先生からの講義が大変勉強になりました。
肩が凝った、首が凝ったというのは誰しもが経験する状態ですよね。
それをいつものことと思って施術にあたるか、少しでも背後に病気があるのかもと疑ってかかるのか大きな違いですね。
そしておかしいと思ったら適切な診療科の先生に診てもらえるようにお話をする。
こういったことが当たり前のようにできるようになっていかないといけません。

現在の鍼灸と医療機関の関係性
今の医療の状況は、鍼灸師と医療機関の繋がりはほとんどなく、あってもごく僅かで一部の先生方しかできていません。
信頼しあって協力している鍼灸師と医療者はどれくらいいるでしょうか。
それは、西洋医学の先生からすると、鍼灸師は個人差がありすぎる、ということが一つの理由のようです。実際に私も、鍼灸師によってその疾患に対する知識や手技、施術方法が違いすぎるということを感じます。
どの医療者からも信頼してもらえるようになるには、西洋医学との共通言語は大事だなと思います。
私は経絡治療という伝統鍼灸をしていますが、患者さんからの訴えはしっかりと現代医学で受け止めていかないといけないと思っています。
東洋医学の思想に固執したり、スピリチュアルに傾いたりせずに受け止めなければいけません。
そのためには私自身も、もっと現代医学を理解して学びを深めないといけないと感じています。
現代医学と経絡治療がうまく連携できれば、患者さんにとっても安心できる、不安が解消できるのでは無いかと思います。
医療鍼灸協会主催の医鍼連携研修は2年間。
しっかりと学びを深め、医療機関からも信頼して貰えて、患者さんからも安心して通っていただける治療院を目指していきたいと思います。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

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