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経絡って“ツボの線”じゃないの?施術者が感じる、気の通り道の話


「経絡って、ツボをつないだ線なんですよね?」

患者さんから、こんな質問をされることがあります。


確かに、ツボの本や図には、体に線がたくさん引かれていますよね。

でも、私が日々の治療で感じている“経絡”は、

そういう「線」や「図」では表せない、もっと“生きた流れ”のようなものなんです。


今日は、経絡治療でいう「経絡」とは何か?

どうしてその流れを大切にするのか?

そんなお話を、なるべくわかりやすく書いてみます。





ツボは一通り覚えました。
ツボは一通り覚えました。

◆あの経絡の“線”は、あくまでガイド



鍼灸の本に出てくる経絡は、ツボとツボをつなぐ線で表現されています。

でも、実際の治療では、「この線に正確に沿って鍼をする」ことが目的ではありません。


私たちは、その人の体に流れている“気の動き”を手で感じながら、ツボを探していくことを大事にしています。


図ではなく、その人の体で感じとること。


経絡は気血津液が流れる通り道。

その流れスムーズでは無いと異常が起こり、体に変化が起こってきます。

経絡を頭に入れておくことで、他にどこに異常が起きているか推測しやすくなります。




◆ 経絡は「流れ」や「温度」、「硬さ」として感じる



私が施術中に「ここ違うな」と感じるとき、

それは目に見えるものではなくて、手から伝わってくる感覚なんです。


  • ツボのまわりがスッと沈む場所

  • 肌の質感や温度の違い

  • 軽く触れたときの硬さ



こうした小さな手がかりをもとに、

その方の体の状態を見ていきます。



同じ場所でも人によって反応が違うし、同じ人でも日によって変わる。

それが、経絡の面白さであり、難しさでもあります。




◆ 気の通り道を“整える”ということ



経絡治療では、やさしい刺激を加えて、気血津液の通りを助けます。


強く刺したり、痛みを与えるのではなく、

“そっと声をかけるような鍼”で、体の内側に働きかけていきます。


そして、少しずつ流れが通り出すと、

脈の感じや、お腹の質感、呼吸の深さまでもが変わってくるんです。


派手な変化ではないけれど、体は静かに確かに変わっていきます。




【まとめ】



ツボの本に載っている経絡の“線”は、たしかに基本として大切です。

でも実際の治療では、図にない「流れ」や「感触」に耳を澄ませることがもっと大切になります。


経絡治療は、“人の体の中に流れている見えないもの”を、手で感じて、整えていく方法

図ではなく、人の体で見る。

その感覚が、私はとても好きです。


その感覚をぜひ体感してみてください。

 
 
 

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