経絡って“ツボの線”じゃないの?施術者が感じる、気の通り道の話
- 綾子 角田
- 5月6日
- 読了時間: 2分
「経絡って、ツボをつないだ線なんですよね?」
患者さんから、こんな質問をされることがあります。
確かに、ツボの本や図には、体に線がたくさん引かれていますよね。
でも、私が日々の治療で感じている“経絡”は、
そういう「線」や「図」では表せない、もっと“生きた流れ”のようなものなんです。
今日は、経絡治療でいう「経絡」とは何か?
どうしてその流れを大切にするのか?
そんなお話を、なるべくわかりやすく書いてみます。

◆あの経絡の“線”は、あくまでガイド
鍼灸の本に出てくる経絡は、ツボとツボをつなぐ線で表現されています。
でも、実際の治療では、「この線に正確に沿って鍼をする」ことが目的ではありません。
私たちは、その人の体に流れている“気の動き”を手で感じながら、ツボを探していくことを大事にしています。
図ではなく、その人の体で感じとること。
経絡は気血津液が流れる通り道。
その流れスムーズでは無いと異常が起こり、体に変化が起こってきます。
経絡を頭に入れておくことで、他にどこに異常が起きているか推測しやすくなります。
◆ 経絡は「流れ」や「温度」、「硬さ」として感じる
私が施術中に「ここ違うな」と感じるとき、
それは目に見えるものではなくて、手から伝わってくる感覚なんです。
ツボのまわりがスッと沈む場所
肌の質感や温度の違い
軽く触れたときの硬さ
こうした小さな手がかりをもとに、
その方の体の状態を見ていきます。
同じ場所でも人によって反応が違うし、同じ人でも日によって変わる。
それが、経絡の面白さであり、難しさでもあります。
◆ 気の通り道を“整える”ということ
経絡治療では、やさしい刺激を加えて、気血津液の通りを助けます。
強く刺したり、痛みを与えるのではなく、
“そっと声をかけるような鍼”で、体の内側に働きかけていきます。
そして、少しずつ流れが通り出すと、
脈の感じや、お腹の質感、呼吸の深さまでもが変わってくるんです。
派手な変化ではないけれど、体は静かに確かに変わっていきます。
【まとめ】
ツボの本に載っている経絡の“線”は、たしかに基本として大切です。
でも実際の治療では、図にない「流れ」や「感触」に耳を澄ませることがもっと大切になります。
経絡治療は、“人の体の中に流れている見えないもの”を、手で感じて、整えていく方法。
図ではなく、人の体で見る。
その感覚が、私はとても好きです。
その感覚をぜひ体感してみてください。
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