本当に良くなってもらうために。90分施術に込めた思い。
- 綾子 角田
- 4月17日
- 読了時間: 3分
更新日:5月3日
なぜ90分施術しかしないのか?
「短い時間でもサクッと受けられるコースは無いんですか」
これは、初めての方から時々いただく質問です。
でも、私の治療院には鍼灸治療は90分コースしかありません。
45分はぎっくり腰やぎっくり背中などの急性期のためのコースです。
それには、ちゃんと理由があります。
病名のつかない不調が鍼灸の得意分野
私は、経絡治療をベースに、全身の状態を見ながら鍼やお灸、てい鍼を行っています。
問診をして、脈を見て、お腹を見て、身体のに出ている症状の所見をとり身体の声を聴いて、そして確認してはじめて「今、どこがどう乱れているか」が見えてきます。
症状の裏には、その人の長年の癖や、無理を重ねた生活、心の緊張など、色んな背景が隠れています。
病名のつかない不調を抱えている人もいます。
ご本人が気づいていなくても、実は病気の前段階の状態=「未病」の状態かもしれません。
そこに向き合いおうと思うと、「はい、じゃぁ30分でサクッと!」では足りないんです。
その時間でできないわけではないのです。
治療は、身体と向き合う大切な時間
90分というのは、患者さんと私がしっかり向き合って、丁寧に体を読み取り、変化を感じながら進めていける時間です。
実際、施術の途中で脈が変わっていきます。
最初に打った鍼で内臓の動きが変わったり、置鍼時間で気血津液の巡りが良くなっていき、身体の反応が現れてくるのです。
そういった微細な変化を見逃さずに、その場で調整し、複数の症状に対応していく。
それが90分の中にある、価値だと思っています。

一つの症状だけでなく、全体をみています
たとえば、「肩こりが辛い」と来られた方でも、脈やお腹、体を触ってみると、実は消化器系の不調や睡眠の質の低下、自律神経の乱れが根っこにあることが少なくありません。
「なんとなくだるい」
「呼吸が浅い」
「気持ちが沈む」
「生理のリズムが乱れる」
そういった、病院では原因がはっきりしない不調も、東洋医学の視点ではきちんと意味があり、全体のバランスを整えていくことができます。
症状だけを追いかけるのではなく、その人の「今の全体の状態」に寄り添っていく。
だから時間が必要なのです。
「もっと短く・安くしてほしい」に応えられない理由
もし「早くて・安くて・そこそこ効く」治療を求めているなら、たぶん私の治療は合わないかもしれません。
私は、一人ひとりの身体と真剣に向き合いたいし、施術のたびに「その人の今」と対話しながら進めたい。
それには、時間も手間もかかるけれど、それが結果とし「深く整う」ことにつながっていると実感しています。
じっくり、丁寧に向き合いたいから
私は、毎回の施術を「その人にとっての特別な時間」にしたいと思っています。
ただ症状を取るのではなく、今のあなたの身体と心に寄り添いながら、丁寧に整えていく。
そのために必要な時間が、90分なんです。
少し長いと感じるかもしれません。
でもその時間の中で、深く呼吸ができるようになったり、眠れるようになったり、自分の感覚が戻ってくることがあります。
一緒に、少しずつ整えていきましょう。
その変化を、私もそばで見届けたいと思っています。
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